記事一覧 / ⑤ブレーキとスラスト角
ブレーキとスラスト角
最終更新: 2026-09-05
立体コースで場外に飛ぶ最大の原因は、ジャンプ直前の速度が高すぎることと 飛んでいる間に頭が上を向くことです。前者はブレーキで、後者はスラスト角で対処します。 制振(④)が「着地後」を整えるのに対し、この2つは「飛ぶ前・飛んでいる間」を制御します。
1. ブレーキの役割
シャーシ下面(多くはリヤのブレーキステー)に貼ったスポンジが、スロープの登り口や頂上でコースの 路面や角に擦れて減速します。狙いは「ジャンプ進入速度を、飛距離が伸びすぎない範囲に収める」こと。
- 効かせすぎると平地区間でも擦って全体が遅くなる。
- 効かなすぎると大ジャンプになり、着地の姿勢が乱れて場外へ。
- 「完走できる中で一番弱いブレーキ」が正解。
2. ブレーキの高さ
地上高(路面からスポンジ下端までの隙間)を変えて効きを調整します。目安:
| 高さの傾向 | 効き | 使いどころ |
|---|---|---|
| 低い(路面に近い) | 強い。平地でも擦りやすい | スロープが急、進入速度が非常に高い |
| 中間 | スロープでだけ当たる | 基準。ここから上下に振る |
| 高い(隙間大) | 弱い。大きな段差でだけ当たる | 速度を殺したくない、平坦主体 |
3. ブレーキスポンジの色と摩擦力
タミヤのブレーキスポンジセットは、色分けされた複数のスポンジで摩擦力(効きの強さ)を 選べるようになっています。例えば定番の「ブレーキスポンジセット」(GP.441)は グリーン(弱)・ブラック(中)・グレー(強)の3種類が1セットになっています。 ただし色と摩擦力の対応は製品ライン(品番)ごとに別物で、他のセットは ホワイトやブルーなど違う色を使っています。色名だけで摩擦力の強弱を覚えず、 製品パッケージの表記か下の出典で品番ごとに確認してください。
- 摩擦力が強いスポンジ:短い距離でしっかり減速したい。摩耗が速いのでレースごとに要確認。
- 摩擦力が弱いスポンジ:じわっと効かせたい、擦れる距離が長い、抵抗を減らしたい。
- 貼り方:スポンジの角(辺)がスロープに「点」で当たると剥がれやすく効きも不安定になります。 あぶって軟化させる、削るなどでスロープの角度に合わせて斜めに成形し、「面」で当てる (通称「斜めブレーキ」)と剥がれにくく安定して効きます。
4. スラスト角とは
フロントローラーの取り付け角度を、上から見て左右対称のままわずかに下向き(前下がり)にすることを 「ダウンスラスト」と呼びます。コーナーでローラーが壁から受ける反力の一部が マシンを路面へ押し付ける向きに働き、次の効果があります。
- コーナー中の浮き上がり・片輪走行を抑える。
- ジャンプ進入でフロントが跳ね上がるのを抑え、飛行姿勢を水平〜やや前下がりに保つ。
- 着地でフロントから接地しやすくなり、姿勢の復帰が早い。
逆に上向き(アッパースラスト)にすると壁に沿って登ろうとし、コースアウトしやすくなります。基本は ダウン方向で、強さを詰めていきます。
5. スラスト角の詰め方
- まず弱いダウンスラスト(シャーシ標準〜少し追加)で走らせる。
- ジャンプで頭が上を向く・場外へ抜けるならスラストを強める。
- 直線で失速する・コーナーが異様に遅いなら強すぎ。戻す。
- 角度を調整できるパーツ(ローラー角度調整プレートのような1°刻みのプレート、 ATバンパーやスライドダンパーなどの可動式バンパー)を使うと、走らせながら少しずつ追い込める。
- フロントとリヤでスラストの考え方が違う点に注意(リヤは基本フラット〜わずか、 強い前下がりは巻き込みの原因)。
6. コースアウト対策の優先順位
- 速度が根本的に高すぎないか(③でギア比・モーターを一段落とす)。
- スラスト角を弱ダウンから追加。
- ブレーキをスロープ進入だけに効く高さで追加。
- 飛行姿勢が安定したら制振(④)で着地後を整える。
- 最後にローラー幅・スタビ(①)で仕上げる。
関連パーツ(購入リンク)
※以下はアフィリエイトリンクの差込予定枠です。ASP 登録後に実リンクへ差し替えます。
ブレーキスポンジセット(各摩擦力・厚み) HG カーボン リヤブレーキステー FRP マルチブレーキセット ローラー角度調整プレートセット スラスト調整用 スペーサー/プレート
出典・参考にした情報源
- タミヤ公式 ミニ四駆公認競技会規則 — 車体の最低地上高(1mm以上)の規定。
- タミヤ公式 ブレーキスポンジセット(GP.441)製品ページ — グリーン/ブラック/グレーの3色で摩擦力が異なる構成の実例。
- タミヤ公式 ローラー角度調整プレートセット(GP.373)製品ページ — 1°/2°/3°プレートで±3°を1°刻みに調整できる仕様。
ブレーキスポンジは品番によって色分けの意味が異なります(例: GP.441 はグリーン/ブラック/グレー、 他のセットではホワイトやブルーを使うものもあります)。本記事では色名と摩擦力の対応を断定せず、 確認できた GP.441 の実例のみを具体的に示しました。