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タイヤの理論

最終更新: 2026-09-05

タイヤは「地面と唯一つながっている部品」です。加速の伝わり方・コーナーでの安定・ ジャンプ後の着地・最高速のすべてがここで決まります。付け替えの手順より先に、 径・幅・硬度が走りの何を変えているのかを整理します。

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1. タイヤが受け持っている仕事

大まかには「大径=速いが上まで回すのに時間がかかる」「小径=加速が鋭いが伸びない」「柔らかい=食う(安定)が抵抗大」「硬い=転がるがスリップしやすい」という2軸のトレードオフです。

2. 径による違い

地面 大径 r(大) 回転 小径 r(小) 接地点の周速 v = ω·r(径が大きいほど長い)
径が大きいほど同じ回転数で速い(1回転で進む距離が長い)が、タイヤ自体を回すのに要る力が増えるぶん立ち上がりは緩慢になる。径の数値は目安で、現物はノギスで測る。
区分外径の目安性格向いている場面
大径約31mm前後最高速が高い・立ち上がりは緩慢直線が長い、速度域の高いコース
中径(標準)約26mm前後加速と伸びのバランス迷ったらここ。汎用
小径約24mm前後加速が鋭い・重心が下がるテクニカル、立体(アップダウン)主体
径の数値はホイールとタイヤの組み合わせ・削り具合で変わります。上表は「クラス分けの目安」であり、 現物はノギスで測ってください。左右で径が違うとまっすぐ走りません。
「ローハイト」は径のクラスとは別軸で、タイヤの側面(サイドウォール)が低く薄い断面形状を指す呼び名です。 大径・中径・小径のどのクラスにもローハイト仕様の製品があります。

3. 幅とトレッド面

路面に触れている面(トレッド面)が広いほど接地面積が増え、トラクションと安定が上がりますが、 そのぶん転がり抵抗が増えます。速さを詰める場面では トレッド面を細く削る方向(いわゆる「ペラタイヤ」の一部)が選ばれる傾向があります。

4. 硬度(ゴムの硬さ)

タミヤのグレードアップタイヤはおおむねソフト → ノーマル → ハード → スーパーハードの順で硬くなります (「ミディアム」などキット限定の中間硬度もあります)。硬度で変わるのは主に次の点です。

硬さグリップ転がり使いどころ
ソフト寄り高い(食う)重い・発熱で変形しやすい低速テクニカル、路面が滑る、加速を確実に伝えたい
ノーマル / ハード中間中間汎用。まずここから
スーパーハード寄り低め(滑りやすい)軽い・摩耗に強い・真円を維持しやすい高速フラット、抵抗を削りたい、コーナーはローラーで支える前提
硬いタイヤは滑りやすいぶん、駆動をローラーとブレーキ・コースレイアウトで支える設計になります。 「硬い=速い」ではなく「硬い=抵抗が減る代わりに前後の踏ん張りを失う」と捉えてください。

5. ペラタイヤ・中空タイヤ

肉厚 通常(肉厚) 削り取り ペラ(肉薄) 空洞 中空
肉を減らす=軽量化+しなりで接地と跳ねが変わる。削りすぎると真円が出ない。断面は模式図で、実寸・空洞形状は製品による。

ペラタイヤ

タイヤの肉(ゴムの厚み)を紙やすりで削り込んで薄くしたもの。回転体としての重量が減り、 上まで回りやすく(回転の立ち上がりが速く)なり、着地の反発力も小さくなって跳ねにくくなります。 半面、肉が薄いぶん衝撃を吸収しきれず車体側に伝わりやすく、削りすぎるとホイールを傷めたり 左右の径バランスが崩れて振動が出たりします。市販品ではなく手作業で仕上げるため、 削っては測る、を繰り返して左右差を詰める必要があります。

中空タイヤ

内部が空洞のタイヤ(例:中空ゴム小径タイヤ)。着地でタイヤ自身がつぶれて 衝撃を吸収し、跳ね返り(バウンド)を減らします。制振の一部をタイヤに肩代わりさせる考え方で、 ペラタイヤ代わりの軽量タイヤとして使われることもあります。「バレルタイヤ」(接地面が丸く盛り上がった形状)は これとは別の分類で、空洞の有無ではなくトレッドの断面形状によるタイプです。

6. 真円出し(振れ取り)

タイヤが真円でないと、1回転ごとに車体が上下し、接地が抜けてタイムが安定しません。 新品でも左右差やホイールへの偏った嵌まりで振れが出ます。手順の一例:

  1. ホイールにタイヤをはめ、必要ならごく少量のゴムタイヤ用瞬間接着剤(低粘度タイプ)で滑り止め(はみ出させない)。
  2. シャフトに組んでモーター回転、またはリューター等で低速回転させる。
  3. 紙やすり(目安:400〜600番程度)を当て木に貼り、軽く当てて外周を整える。押し付けない。
  4. 回転を止め、ノギスで数か所の径を測る。左右のタイヤの径差を詰める。
  5. 仕上げに目安として1000番前後で表面をならすと転がりが素直になる、という声もある。
回転中のタイヤに紙やすりや指を強く当てると、タイヤが飛ぶ・熱で溶ける・シャフトが曲がることがあります。 保護メガネを着け、少しずつ削って測り直してください。削りすぎは戻せません。

7. 詰める順番(おすすめ)

  1. まずノーマル〜ハードの中径で組んで完走させる。
  2. コーナーで滑る・登りで失速するなら径を下げる柔らかくする
  3. 完走が安定したら径を上げる/硬くする/トレッド面を細くして伸ばす。
  4. 着地で跳ねるなら中空タイヤ・ローハイトタイヤ・硬めのタイヤを試す、または制振(④)側で対応。
  5. 最後に真円出しと左右径合わせで詰める。走行10〜20回ごとに見直す。

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スーパーハード ローハイトタイヤ ハード 大径ナロータイヤ 中空ゴム 小径タイヤ カーボン強化ホイール(大径・ローハイト) タイヤセッター(真円出し用)

径・硬度の呼称やラインナップは執筆時点のものです。大会に出る場合は必ず 最新のタミヤ公認競技会規則 を確認してください(タイヤ材質・加工の可否、最低地上高、最大幅など)。

参照した情報源

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